「なぜタタラ」について

どん、と土のかたまりをひとつ作業台において
それをワイヤーで、すぱっと切りっぱなしてみると、
それまで見えなかった、かたまりの内側の様子が
断面にそのままあらわれてきます。

意外と石が混ざっていたり、思ったより色が白かったり、と
スライスした断面には、その土のかたまりの色々な情報が
ずらりと並んでいて、見る者を楽しませます。

最近、そんなことが面白くて、うつわ作りに取り入れます。
切りっぱなしのタタラを使って成形してゆきます。
土の内側を、くるりと外側に見せる、そんな感じです。


タタラを使っていて思う、もうひとつの特徴は、
形に仕上がるまでの制作過程を味わえる、という事です。

何も無いところから手の動くままに作っていく作業と違って、
完成の形をイメージ出来るところからタタラの作業は始まります。

ある程度乾かしたタタラを程良い大きさに切り取って、
そうして組み立てていくのですが、
ちょっとだけ足りなかったり、今度はちょっと大きすぎたり、
何度か試作を繰り返してイメージ通りの形に近づけていきます。
やがて決まった形から型紙をおこして、制作にかかります。
この、ああでもないこうでもない、の行程は手間取りますが、
山登りのようで、なかなか楽しい作業なのです。


そんな訳で、タタラを使ったうつわ作りが面白いです。

                          (2003年5月)


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