【いろんなカタチ】

気ままにつくるカタチ色々、陶雑貨。
岩屋工房 作品集 目次へ


呉須絵のコップ    2008年制作
                 (「鞆の浦まちなみ散歩ギャラリー」cafe店内展示)

思いつくまま、かりかり、すいすいすいっ、と描いた呉須絵。
シンプルなカタチのうつわに、ゆる〜い感じの絵付けです。

コップ裏面へも、呉須絵の筆は続いてます。
うつわがあって その装飾の為の絵付け、というより、
こんな風に絵を描いてみたい為の、キャンバスとしての
うつわカタチづくり、という感じ。
こんな風に ゆる〜く描く、というコトが、このカップについては
いちばんのテーマです。




てびねりの花入れ    2007年制作 左:高15.5cm 右:高6.5cm
                       (ギャラリー鶏肋堂「陶三人展」展示)

無造作に取った、土のかたまりからできたカタチです。

丸めた土を手回しロクロに据えて、かたまりの真ん中に親指を
突っ込み、あとはゆっくり回転させながら、グイグイつまみ上げて
つくります。
土のかたまりの状態をスタートに、もこもこ、と次第にカタチに
なってゆく展開がおもしろくて、好きなつくりかたのひとつです。

紐状の土を輪積みにしてゆくコツコツタイプの成形方法とは異なり、
丸い土からつくってゆくてびねり成型には、行き当たりばったりの
おもしろさがあります。

為ってゆくままのカタチ。




輪のカタチ    2007年制作 直径25cmの輪に台座
                (ギャラリー鶏肋堂「陶三人展」展示)


おおきなリングに絵を描きたかったのです。

ロクロで曳いたカタチに
思うまま描いてます。

青色鉛筆で描いた様な
カリコリした線の上に、
ポテ、と丸筆で置いた
青呉須のダミ跡。
幅広の刷毛で淡い色を
流します。


スピード感を持つ
ロクロ指跡に対して、
スローな印象の
ドローイング。
内側の描き込みの
くっきり具合に対して、
外縁のほわっとした
刷毛塗りの感じ。

描く上で具体的なテーマはありませんが、「対比」というコトバを
ほんのちょっとだけ意識して、筆を持つ手を動かしています。

描いた模様、
ちょっと雪の結晶にも見えるなあ、
と気が付いたのは、出来上がって
からのコトです。


輪のカタチ、興味深い形です。


ブタの蚊遣り    2007年制作 14×19 高16cm about


蚊遣りをつくりました。友人からの楽しいオーダーです。
「ブタの、」と指定がありましたので、岩屋工房風のつくりで
こんなカタチをこしらえました。

顔のあるカタチは、つくるのに楽しいのです。
つぶらな瞳をぷちっと描いて、キョトン、とした表情に。

後方のおおきな開口より蚊取り線香の煙を もわぁ と流します。
ハナの穴から煙が出てくる姿がなんとなくイヤだったので、
前方にはあえて穴を開けません。

煙で燻されて、しっかりアメ色に使い込まれていってください。
2008年制作 蚊遣・改。持ち運び易くする為、ボディ上部にハンドルを取り付けました。




壁掛時計    2006年制作 36×36cm about


彩色した時計をつくりました。
以前、展示の際にご購入された方から、「今度はこんな大きさが
いいな。」とサイズ指定でオーダーいただいた品物です。

タタラ組みして成形した盤のカタチに、機械をはめ込むための
凹みと、時計針を仕込む丸穴をこしらえておきます。

ゆっくり乾燥のち素焼きをして、時刻の12ヶ所にマスキングを
貼って準備します。さてココからが楽しみドコロ。
ちょっと大きめの愛用刷毛を構えて、まだ白い盤をすっと見据え、
ひと呼吸のち、ぐい、ぐいぐいっ、さっさっ、ぐい〜っ、と
色をのせてゆきます。

陶器用の絵の具です。高温の焼成に耐える画材を使います。
「はい、この辺でおしまい。」と思った時点で手を止めます。


ペイントするコトは、楽しい作業です。
気持ちよい行為です。
「文字にして表すと、なんだか気持ちが
スッキリしたわあ。」という、
例えば、そんな日記の作用にどこか
似ているような気がします。


呉須絵お重    2005年制作 18×18 高18cm about


陶製のお重です。呉須絵を隙間なく巻いています。
タタラ成形です。板状の土を組み立ててゆく方法でつくりました。
土の特性、収縮による
ゆがみはどうぞご愛敬。
3つ重ねた立方体の姿
おさまりは好い感じで、
なんだか好きなカタチ
なのです。


絵付けをする工程は、
やはり楽しい時間です。
対象となるうつわを
キャンバスに見立て、
いつもの絵筆を すいっ
と走らせます。
「おせちに間に合う様にね。」とオーダー頂きましたこのうつわ、
絵付けのモチーフは、お正月を意識して「松竹梅」をアレンジ。
あとは筆の勢いに任せて描きました。

後日、どっさりとお料理を飾られた写真を送っていただきました。
立派な姿にしてもらったんだねぇ、と嬉しく思うのでした。



黄色いふたもの  岩本京子 1999年制作
                  (ギャラリーくれえばん「岩本道明京子陶展」展示)

南国のフルーツを思わせます。こんなふうに、ふたが開きます。

触覚に刺激のあるモノをつくってみよう、
そう思って作った、トゲトゲシリーズ。
突起のとんがりは、かなり鋭いです。

制作した本人は、「昔の気まぐれ作品」
そう言って掲載を嫌がったのですが、
岩屋工房・夫が、なんだか好きな作品
でしたので、ここに掲載します。



CLAY HOUSE  岩本道明 1999年制作
                (ギャラリーくれえばん「岩本道明京子陶展」展示)


てびねりでつくるオブジェ。
ひも作りでコツコツ成型します。

つくるのは家のカタチです。
てっぺんに口を開け残すコトで
そのモノを「うつわ」に留めます。

しかく、さんかく、まる、
いろんなカタチ。
こんな家に暮らしてみたら
どんなだろう、
いろいろ空想しながら、
つくる手をコツコツうごかします。



色絵のカップ  岩本道明 2001年制作
                (ギャラリーくれえばん「岩本道明京子陶展」展示)

色絵カップの制作は楽しい作業でした。印象に残っています。
やはり、うつわに絵を描くコトは、たのしい行為です。

上絵付けによる彩色です。
気ままに色をのせています。

この手の絵付けをするとき、
何も考えまいと願うけれど、
そんなふうに願えば願う程
「ここら辺は赤にしようかな」
などと、色々考えてしまうの
です。


筆 / 岩本道明
written by Michiaki Iwamoto.


岩屋工房 作品集 目次へ