図書館の楽しみ



週末、近くのちいさな図書館に家族3人でよく出掛けます。
1歳半を過ぎたウチの息子は、真っ先に絵本のコーナーに進みます。
そこにはすでに彼のお気に入りの絵本も何冊かありまして、
それらを取っ替え引っ替え選んでは、一緒に読んで、と持ってきます。

それぞれ小さな椅子に腰掛けて、絵本のページを開きます。
鳴き声と共にイヌが登場すると、「わんわ、わんわ」と指差します。
描かれてあるすべり台を指で辿りながら、「あ〜っ」と自分もすべってゆきます。
真っ赤なイチゴが描かれてあると、指で摘んで食べる動作をしてみせます。
おおきな口を開けたカバを指差して、自分の口もおおきく開けてみせます。
想像の動物園や、想像の公園などで、彼は遊んでいます。
想像のイチゴも、実に美味しそうに食べています。

しばらくして、じゃそろそろウチに戻るか、という頃になると、
私たちは交代で、足早に自分達が借りて帰る為の本を見つけてきます。
選んだ数冊の本を小脇に抱えて、息子の手をひいて家路につきます。


自分がよく選ぶお気に入りのひとつに、例えば、建築の作品集があります。
建築家のつくるユニークな建物を、平面図や写真などで紹介したものです。
平面図をじいっ、と見つめ、あたまのなかで立体的にぐい、と立ち上げ、
そして目を閉じて、想像の建物探訪をします。これがなかなか面白いのです。
端整なフォルムの外観ときれいな窓の配置を眺め、扉を開けて建物の中へ入り、
気持ちのよい吹き抜けを見上げながら、階段を上の階に進み、それから、などと
本を片手にイメージをふくらませ、想像を楽しんでいます。

妻も本を借りて帰ります。彼女が図書館の中で一番のお気に入りの場所には、
本棚に大きく「地球・自然」とあります。でっかい写真集などがずらりと並んでいます。
旅の出来事が書かれてあるモノも好きで、よく手にしています。
彼女も、図書館で借りてきた本を読みながら、想像を楽しんでいるようです。
想像の飛行機に乗って、いろんな場所にびゅん、と飛んでゆきます。
想像の飛行機の窓からは、ものすごい風景が見えているのでしょう、きっと。


想像力という能力は、楽しいチカラです。
こんなこといいな、できたらいいな、と思うモノを、
ぐぐっと自分の目の前まで引き寄せてくれる、そんな良いチカラです。

図書館は面白い場所です。
想像する楽しみを探して、近くのちいさな図書館へいそいそと出掛けます。




(2004年4月)

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