実際のダニに対する対策は以下の通りです。

1.飼育材料を全て熱処理してダニの侵入を水際防御する。
 飼育材料に最初からダニがついていたのでは話になりません。飼育ケースは洗ったら、必ずドライヤーか天日で完全に乾燥させ、飼育用マットは加湿して、電子レンジに5〜10分間かけます。産卵木、えさ台木は鍋で煮沸消毒し、えさ台として素焼の台をもちいる場合も同様にしてダニを殺します。乾燥中にダニにやられることの無いように、これも天日で干します。もしくは、先に電子レンジで殺虫したマットとケースの中に入れておくのもいいでしょう。この場合、当然冷えるまで絶対に成虫を放してはいけません。また、マットが温度を持っているために発酵する場合もあります。出来る限りこの方法はとらずに天日でカラカラに乾かしましょう(産卵木はその必要はありません)。
 あと、実際に飼育ケースを置く部屋ですが、一度虫を入れる前にダニアースなどの殺虫剤で殺菌してから、金属パイプ製の棚に置くのがベストです。不可能ならば、出来るだけ埃の来ないような場所におきましょう。

2.生体についてしまったら…
 ついてしまったら、というより、既に手に入った段階からついている場合があります(十兵衛ではそのようなことが絶対に無いようにしていますが、輸送段階で侵入されることもあります。前述のダニは、特別な存在ではなく、どの家庭の床やハウスダストの中には必ずいるダニです)。そのときには、包帯をとめるときに使う粘着テープ・ピンセットで1匹ずつ丹念に取っていきます(写真参照)。見えている範囲のダニが取れたら、今度は別の瓶のなかに、湿らしたティッシュをいれ、その中に虫を入れておき、1日後にまた様子を見ます(このとき餌は必要ありません)。それでもう一度虫を確認します。これでダニがついていないようなら大丈夫です。ダニは小さい関節などにも侵入しています。それらを根絶するのがこの目的です。

ダニ駆除キット ダニ除去中 隔離して様子を見ます

3.飼育上の注意と
 上記のような苦労を重ねてダニを除去しても、世話をするあなたがダニを運んでくることがあります。飼育ケースを触るときには手を洗い、可能なら温風で乾かしてから世話をしましょう。

4.その他の対処法
 その他の手段として、飼育ケース内にヒノキ材を入れておく方法があります。ヒノキにはヒノキチオールという物質が含まれており、ダニや昆虫はこれを忌避します。もちろんクワガタにとってもいいものではありませんが、死にいたることはありません。ホームセンターなどで購入し、加湿して2,3分レンジにかけて、それをケース内に置いておくと、ダニの侵入・増殖を抑制できます。
 他にはマルカマイトという物質を使う方法があります。これはネット上で売っており、これを飼育ケースに外側から噴霧して、ダニの侵入を抑制します。また2で瓶の中に濡れティッシュを入れるときに、マルカマイトをティッシュにつけることも効果的です。成虫に噴霧しても死亡したり弱ったりということはありませんが、メスはその翅に性フェロモンをもっており、これは大変微弱です。このような薬品を噴霧すると、オスはメスを自分と同種であると認められず、交尾の成功率が低下すると予想できます。

5.よくある間違い
・においがあるからといって…
 臭いがあるからといって、量販店などの消臭剤を噴霧すると、それがダニの餌になる場合があります。
・活性炭

 活性炭にはダニを忌避させる物質があるという話がありますが、実際に十兵衛が実験した上では、成果は上がりませんでした。活性炭を飼育マットに混ぜてダニを防ぐ方法も稀に紹介されていますが、効果は期待できないと思います。